女性医師が診ています!
月・木・金は女性医師の木村医師が担当しています。
安心してお悩みをご相談ください。
火曜午前は京都駅前院で診察しています。
女性も「泌尿器科」に行くの?
「泌尿器科」は男性が行く病院、と思っている方がいらっしゃるかもしれません。
でも当たり前のことですが、女性も排尿をします。
なので女性ももちろん「泌尿器科」の患者さんなんです。
特に尿もれ、尿が近い、などの症状で悩まれている方は大変多いです。
一方、受診が恥ずかしい、こんなことで相談しても…となかなか受診できず、日常生活で困る症状があっても、人知れず悩まれている方も多いのです。
当院は約半数の患者さんが女性の患者さんですので、安心して受診いただけます。
少しの勇気をもってご相談ください。ゆっくりお話を聞かせていただきます。
こんな症状のお悩みはありませんか?
- 排尿の最後の方が痛い、気持ち悪い
- トイレに行ってもすぐに行きたくなる
- 行きたくなったらガマンができない
- 寝ていてもトイレに行きたくなって起きる
- 尿がもれる
- 陰部から何かが出ている
感染症~ 膀胱炎 腎盂腎炎 性感染症(性病)~
膀胱炎
膀胱炎は膀胱に細菌などが入って炎症を起こす病気です。
女性は尿道が短いので、男性よりも膀胱炎が起こりやすいです。
- 排尿の最後の方が痛い、気持ち悪い
- さっき排尿したのに、またすぐ行きたくなる
- 血尿(尿に血が混ざった、ペーパーに血が付いた、など)
いろんな症状を起こします。多くの場合、突然症状が出ます。
当院に来られる女性の患者さんで、一番多いのがこの病気です。
疲れているとき、水分不足の時、トイレになかなか行けなかったとき、月経の後、性交渉の後、サウナなどの共用施設を利用した後などに発症することが多く、またウォシュレットがリスクになることもあると言われています。
よく知られた病気ですが中途半端な治療をすると、繰り返したり、悪化したりすることがあるので注意が必要です。
当院では、原因となった細菌等をきちんと調べて、それに合ったお薬で治療します。
繰り返す方には生活習慣などのアドバイスも行っていきます。
腎盂腎炎
腎盂腎炎は、膀胱炎の原因となった細菌が、尿路を逆走して腎臓の出口である「腎盂」というところに入り、そこで炎症を起こす病気です。
38℃を超えるような高熱が出たり、炎症を起こした側の腰、背中が痛くなったりします。
発熱は午前には軽くなり、午後や夕方から上がるというパターンを示します。
こうなると点滴で抗生物質を投与することもありますし重症例では入院が必要になることもあります。結石などが関わっている場合、処置が必要になることもあります。
多くの場合は膀胱炎症状が出て、しばらくしてから起こりますので、上記のような症状が出たら、早めに受診することが大切です。
性感染症(性病)
女性の性感染症は症状がはっきりとしないことが多いです。
おりものが増えたり、色がいつもと違ったり、不正出血があったり、などの症状で気づくことがありますが、膀胱炎と同じような症状のこともあります。
当院では、患者さんのお話を聞かせてもらったうえで、性感染症のチェックも行っています。(子宮頸癌検診などは行っておりません)
パートナーさんと一緒に来られる方もおられます。「もしかして・・・」と思ったら気軽にご相談ください。
性病の詳細は下記リンクをご覧ください。
尿もれ
泌尿器科の中で、女性がもっとも悩まれるのが「尿もれ」だと思います。医学用語では「尿失禁」といいます。「尿失禁」は、それが原因で外出するのがイヤになったり、趣味や仕事ができなくなったり、社会生活に大きな影響を及ぼしかねない重要な症状です。
私たちは、患者さんたちが何かをあきらめてしまうことがないように、丁寧にこの治療に取り組みたいと考えています。
尿失禁は大きく分けると、次の3つがあります。
1.切迫性尿失禁
これは「尿が近い」という症状のところにも書いた「過活動膀胱」という病態が進んだ状態です。
症状としては、
- 行きたくなったらガマンできない、待ったなし
- トイレを見たら急にガマンできなくなる
などがあります。
膀胱が敏感になって十分に尿が溜まっていないのに膀胱が収縮したり、尿意を感じた時にその収縮しようとする力が強すぎることが原因で起こります。
治療としては、まず内服治療を行います。内服治療は①β3受容体刺激薬、②抗コリン薬などを使用します。
内服治療を3カ月行っても改善が見られない、または乏しい場合は「難治性過活動膀胱」と呼ばれます。その場合、ボツリヌス毒素という物質を膀胱の壁に注射する「ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法」という治療法があります。
ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法
ボツリヌス毒素(ボツリヌストキシン)を膀胱の壁に注入して、頻尿や尿失禁を改善する治療です。「毒素」と聞くと怖い感じがしますが、実際にはその毒素を極端に薄めて安全を担保し、様々な診療科で薬剤として利用されているので、心配はありません。具体的には、斜視、斜頸、眼瞼痙攣、顔面痙攣、多汗症などで保険適応となっており、また美容外科領域でもよく使用されています。
ボツリヌス毒素は筋肉を緩める効果があるので、これを膀胱の壁にある筋肉に打つことで、膀胱が縮まる力が弱くなり、過活動膀胱の症状が改善するわけです。
手術は日帰りで、膀胱鏡という内視鏡を用いて行います。痛くないように、当院では仙骨麻酔と局所麻酔を併用しています。内視鏡の画面を見ながら、20か所に分けて細い針で注入していきます。手術の時間は10~20分くらいです。
効果は数日で現れ、4~8カ月持続するといわれています。
合併症として尿が出にくくなる、尿路感染症などがあります。尿がちゃんと出ていることを確認するため術後数日で再診いただいています。
2.腹圧性尿失禁
これは骨盤を支える筋肉群が弱くなって、膀胱の出口部が不安定になり、おなかに力がかかったときに尿が漏れてしまう状態です。
症状としては、
- 咳、くしゃみ、重い荷物を持つ、階段の上り下り、ジョギングなどで漏れる
- 座っていて立ち上がろうとすると漏れる
などがあります。
加齢だけでなく、肥満、出産、骨盤の手術などが原因で起こります。
治療としては①減量、体操、②薬物治療、③手術があります。
①は適正な体重に近づけることと、骨盤底筋体操というものを行って、膀胱や尿道を支える筋肉を鍛えるものです。当院ではメディカルプログラムとして「骨盤底筋ヨガ」の教室もおすすめしております。
骨盤底筋ヨガ教室による運動療法や薬物治療といった保存的治療から、手術療法(TOT手術)も含めてご提供できる環境を整え、皆様の生活の質の向上に努めています。
②は骨盤底筋を少し強化する薬物治療になります。軽症の患者さんであれば、これで症状が消失することも期待できます。
③は下記のTOT手術というものが主流になっています。尿の症状で手術となると、気が進まない患者さんもおられますが重症の腹圧性尿失禁の方でも、術後には90%程度で失禁が消失する、非常に患者満足度の高い手術です。入院対応が必要になりますので、この手術に長けた近隣の病院と連携し、治療にあたっています。
TOT(Trans-Obturator Tape)手術
ポリプロピレンという人体への影響の少ない材質でできたテープを尿道のすぐ後ろに通すことによって、尿道を支える力が強化され、腹圧性尿失禁の症状が改善する手術です。
膣前壁と両側鼠径部に微少な切開を加えて、テープを閉鎖腔というスペースを通して留置します。術後の傷はほとんどわかりません。
半身麻酔で行うことが多く入院期間は3~4日ほどです。
3.混合性尿失禁
1.と2.が同時に起こる失禁です。これは比較的高齢者には珍しくありません。
どちらかだけを治療しようとするともう一つの方の尿失禁が増悪することもあるので、総合的に治療していくことが大切です。症状を丁寧にうかがい、それに応じて治療法を決めさせていただきますので、ぜひご相談ください。
陰部から何かが出ている(骨盤臓器脱)
骨盤底を支える力が弱くなると、骨盤内の臓器がおりてくることがあります。子宮や膀胱が膣から出てくる状態を「子宮脱」「膀胱脱」と呼んでいます。
症状としては、
- 膣の出口に何かが触れる
- 下着に血がつく
- 膣の出口が痛む
などが多いです。ただ重症になると膀胱の出口部の角度が変形してしまい、尿が出にくくなったり、出なくなったりすることもあります。
治療としては「ペッサリー」と呼ばれる、ドーナツ型のリングを膣内に挿入することで症状が抑えられることが期待できます。膣の大きさや形状によってはリングが落ちてしまったり、痛みが出たりすることがあるので初期にはサイズの調整が必要になる場合があります。また長期間入れておくと感染などのリスクがあるため4~6カ月を目安に定期的な交換が必要です。
比較的若い方や、社会生活が活発な方で根治的な治療を希望される場合は手術も勧めています。現在は様々な術式がありますので、患者さんの病態に応じて説明させていただきます。手術をする場合は、提携している近隣の病院に紹介いたします。
頻尿(尿が近い、がまんできない、夜に起きる)
本来、尿の回数は人それぞれですので、1日に何回以上行くと病気、と決まっているわけではありません。
しかし次のような症状があると、日常生活で困ってしまいます。
- 1~2時間もたない
- 行きたくなったら我慢できない
- 夜中にトイレに行きたくて起きる
これは「過活動膀胱」という病態で、膀胱が敏感になってしまったときに起こります。
当院では同様の症状が起こる他の病気を除外した上で、治療を行います。
40代以上の方では、約7人に1人がこの症状を抱えていると言われています。もちろん加齢による影響はあるのですが、意外に20代や30代の方でも悩まれている方がけっこうおられます。
排尿は毎日のことなので、何とかしたいと思われた場合、ぜひ受診してみてください。