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- 泌尿器科の病気について理解する
- 腎臓から前立腺まで、泌尿器科が扱う疾患の範囲

はじめに:泌尿器の不安、誰に相談すべき?
「最近背中や腰のあたりに鈍い痛みがあるけど、何科に行けばいいんだろう?」
「尿のトラブルは、どこまでが診療の対象になるんだろう?」
泌尿器に関する悩みはデリケートなだけに、誰かに相談しづらく、受診するか迷ってしまう方も少なくありません。
特に泌尿器科という診療科に馴染みがない場合、どんな病気を診てくれるのか、自分の症状は対象になるのかといった不安を抱えたまま過ごしてしまうケースも。
泌尿器科は尿に関するトラブルから前立腺、腎臓に関わる疾患まで幅広く対応する、私たちの健康を守る上でとても重要な診療科です。
この記事では、泌尿器科がどのような疾患を扱っているのかを丁寧にご紹介します。
この記事を読めば分かること
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泌尿器科で診てもらえる臓器や病気の範囲
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膀胱炎や前立腺肥大など、よくある症状の見分け方
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自分が泌尿器科に行くべきかどうか判断するポイント
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専門医を通じて、信頼できる医師に相談するタイミング
泌尿器科ってどんなところ?
排尿に関するトラブルは誰にでも起こり得るものですが、恥ずかしさや不安から受診をためらう方が多いのが現実です。
「泌尿器科」と聞くと、どんなことを診てもらえるのか分からず、足が遠のいてしまうことも。
泌尿器科は単に「おしっこの問題」を診るだけではありません。
腎臓・尿管・膀胱・尿道といった排尿に関わる臓器全体、さらには男性特有の前立腺や精巣までを専門的に診察する診療科です。
体内の老廃物をきちんと排出するための“排泄システム”全体を守る、非常に重要な役割を担っています。
泌尿器科の対象となる主な臓器
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腎臓(血液をろ過して尿をつくる)
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尿管(腎臓から膀胱へ尿を運ぶ通路)
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膀胱(尿を一時的にためる器官)
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尿道(尿を体外に排出する道)
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前立腺や精巣(男性の生殖機能を担う臓器)
「泌尿器科は男性が行くところ」というイメージを持たれがちですが膀胱炎や尿漏れ、頻尿などで女性が受診するケースも多いのです。
排尿や下腹部の違和感を「年齢のせい」「よくあること」と見過ごさず、早めに相談することで、軽い治療で済むことがほとんどです。
些細な症状でも、まずは専門医に相談することが、安心で快適な生活を取り戻す第一歩になります。
実は女性も多い?男女別によくある泌尿器のトラブル

泌尿器科と聞くと、「男性が行くところ」というイメージをお持ちの方も少なくありません。
確かに前立腺など男性特有の疾患を扱うことも多いため、男性中心の診療科と思われがちです。
実際には女性の患者さんも非常に多く、膀胱炎や尿漏れといった悩みは年齢を問わず多くの女性が抱えています。
中には「婦人科で相談するものだと思っていた」「恥ずかしくて受診をためらっていた」という声もありますが、これらの症状は泌尿器科が専門的に対応できるものです。
女性に多い泌尿器のトラブル
膀胱炎
女性の尿道は男性より短く肛門との距離も近いため、細菌が膀胱に入りやすく炎症を起こしやすい構造になっています。
特に若い女性や性交渉の後に発症するケースが多く、再発を繰り返す人も少なくありません。
尿漏れ(腹圧性尿失禁)
出産や加齢によって骨盤底筋が緩むことで、咳やくしゃみ、運動時などに尿が漏れてしまうことがあります。
「年のせいだから仕方ない」とあきらめがちな症状ですが、治療によって改善できることがほとんどです。
過活動膀胱
急に強い尿意を感じ、トイレまで我慢できずに漏れてしまう症状です。
ストレスや加齢、持病の影響などが関与しており、生活の質(QOL)を著しく低下させる原因になります。
生活指導や薬物療法などでコントロールが可能です。
男性に多い泌尿器のトラブル
前立腺肥大症
特に50代以降の男性に多く見られる病気で、尿が出にくくなったりトイレが近くなったりします。
進行すると尿閉といってまったく尿が出なくなることもあり、早めの対処が必要です。
尿閉
膀胱に尿がたまっているにもかかわらず排尿できない状態です。
急性尿閉の場合は激しい下腹部の痛みを伴い、救急対応が必要になることもあります。
精巣の痛み・腫れ
急な精巣の腫れや痛みは、精巣捻転や精巣上体炎などの可能性があり、緊急の対応が求められることがあります。
放置すると精巣の機能が失われることもあるため、注意が必要です。
泌尿器の症状は男女ともに年齢やライフステージによって変化するため、「誰にでも起こりうる身近な不調」です。
女性の場合婦人科と泌尿器科のどちらを受診すべきか迷うケースも多くありますが、排尿に関する症状や尿の異常がある場合は、まず泌尿器科に相談するのが安心です。
こんな症状は要注意!泌尿器科で診る主な病気
「トイレが近い」「排尿時に痛みがある」「尿に血が混じってるかも?」これらは泌尿器科で診てもらうべき代表的なサインです。
泌尿器科が診る主な病気を知っておくことで、受診のタイミングを見逃さずにすみます。
泌尿器科でよく扱う疾患例
膀胱炎(ぼうこうえん)
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主な症状:排尿時の痛み、頻尿、尿のにごり、血尿、下腹部の不快感
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原因:大腸菌などの細菌が膀胱に侵入して感染・炎症を引き起こす
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治療法:抗生物質の服用が基本で、数日で改善するケースが多い。放置すると腎盂腎炎に進行する恐れがある
尿路結石(にょうろけっせき)
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主な症状:背中や脇腹から下腹部にかけての激しい痛み(疝痛)、血尿、吐き気、頻尿
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原因:尿中のカルシウムやシュウ酸などの成分が結晶化して石ができる
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治療法:小さい石は自然排出もあるが、大きい場合は体外衝撃波破砕術(ESWL)や内視鏡手術。水分補給や食生活の見直しで予防も重要
前立腺肥大症(ぜんりつせんひだいしょう)
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主な症状:尿の勢いが弱い、排尿に時間がかかる、残尿感、頻尿、夜間の排尿
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原因:加齢により前立腺が肥大し、尿道を圧迫することによる
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治療法:薬物治療、前立腺縮小手術。最近では低侵襲な日帰り手術も選択肢に
過活動膀胱(かかつどうぼうこう)
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主な症状:突然強い尿意を感じる、尿漏れ、夜間頻尿
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原因:膀胱の収縮が異常に強くなる。神経因性(脳・脊髄障害)または非神経因性(加齢や体質)
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治療法:生活習慣の改善(カフェイン制限、水分調整)、膀胱トレーニング、薬物治療
腎盂腎炎(じんうじんえん)
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主な症状:発熱(38℃以上)、悪寒、腰痛、吐き気、倦怠感など全身症状
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原因:膀胱炎などの尿路感染が腎臓まで広がることで起こる
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治療法:抗菌薬の投与が基本。重症化した場合は入院が必要なケースもあります。
前立腺がん・膀胱がん
前立腺がんの特徴
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初期は自覚症状がほとんどない
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進行すると排尿困難、血尿、骨転移による痛み
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検査・治療:PSA検査でスクリーニング。進行度に応じて手術・放射線・ホルモン療法など
膀胱がんの特徴
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血尿が最も多い初期症状
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見た目が健康でも潜在的に進行しているケースがある
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検査・治療:尿細胞診、膀胱鏡での診断、手術や抗がん剤治療などが必要
泌尿器の病気は膀胱炎や尿路結石といった比較的身近なものから、前立腺がん・膀胱がんのように命に関わる疾患まで幅広く存在します。
症状が軽く見えても、放置することで慢性化したり、重症化することも少なくありません。
「少しおかしいな」と感じたときが、受診のタイミングです。
意外と幅広い泌尿器科の受診範囲
「お腹が痛いけど消化器?それとも泌尿器?」
「膀胱炎っぽいけど、婦人科に行くべき?」
体の不調を感じたときにどの診療科を受診すればよいか迷う方はとても多くいらっしゃいます。
特に排尿に関する症状は、泌尿器科・婦人科・内科など複数の科で診てもらえることもあり、余計に判断が難しくなることがあります。
排尿や尿の異常、下腹部の違和感といった症状がある場合は、まず泌尿器科を受診するのがもっとも適切な判断です。
泌尿器科では尿路や腎臓、膀胱、前立腺といった排泄に関わる臓器全体を診る専門性があり、症状の原因を的確に診断するための検査設備も整っています。
「何科に行けばいいの?」迷いやすい症状を整理

膀胱炎のような症状(排尿痛・頻尿・残尿感など)
典型的な泌尿器科の対象疾患です。
婦人科でも対応可能な場合はありますが、症状の原因が腎臓や尿道に及ぶこともあるため、泌尿器科での診察が安心です。
頻尿・尿漏れなどの排尿トラブル
泌尿器科が専門です。
女性であれば婦人科での相談も可能ですが、泌尿器科では膀胱機能検査や薬物療法など、より幅広いアプローチが可能です。
症状が慢性化している場合は泌尿器科での精密検査がおすすめです。
排尿トラブル(尿に血が混じる)
泌尿器科で早急に検査を受けましょう。
血尿は膀胱炎や結石だけでなく、膀胱がんや腎臓の病気のサインであることも。
放置せず、精密検査で原因をはっきりさせることが重要です。
男性の排尿異常(尿が出にくい・尿の勢いが弱いなど)
前立腺肥大症など、男性特有の疾患が関係している場合が多く、泌尿器科が最も適した診療科です。
排尿や下腹部の症状は、複数の診療科にまたがることがありますが、最初に泌尿器科を受診することで的確な診断と対応が可能になります。
泌尿器科は、尿に関するあらゆる不調に対応できる専門科です。
まとめ:自己判断は危険?早めの受診が安心への近道

「トイレが近いけど、ちょっと疲れているだけかも…」
「水をたくさん飲めば治る気がする」
「市販薬で様子を見ようかな」
泌尿器の不調を感じたとき、こうした自己判断で済ませてしまう方は決して少なくありません。
泌尿器症状の背景には、時に思わぬ病気が潜んでいることがあります。
膀胱炎のような症状でも、実は膀胱がんや腎臓病のサインだったというケースもあり、初期対応の誤りが病気の進行につながることもあるのです。
自己判断がもたらす3つのリスク
改善しないまま悪化するリスク
「痛みが軽いから大丈夫」「忙しいし時間がない」と放置してしまうと、症状が慢性化したり悪化してしまう可能性があります。
膀胱炎を放っておくと、腎臓にまで感染が広がり腎盂腎炎になるケースがあります。
そうなると発熱や激しい腰痛が出て、入院や点滴治療が必要になることもあります。
日常生活に影響が出る前に軽いうちに受診することで、治療も簡単で負担が少なくて済むのです。
原因を見誤るリスク
排尿時の違和感があると「これは膀胱炎だろう」と思い込む方が多いですが、似た症状でもまったく別の疾患が原因であることがあります。
頻尿や残尿感、排尿時の痛みといった症状は膀胱炎でも起こりますが、尿路結石や前立腺肥大症、さらには膀胱がん・前立腺がんでも同様の症状が出ることがあります。
正しい診断をしないまま市販薬でごまかしていると、本来必要だった検査や治療が遅れ、病気が進行してしまう危険性があります。
不適切な薬で逆効果に
自己判断での薬使用が副作用や再発を引き起こすことも。
インターネットやSNSには様々な対処法が紹介されていますが、それらは必ずしも自分の症状に当てはまるとは限りません。
大切なのは、正確な診断と適切な治療を受けることです。
泌尿器科では、尿検査・超音波・血液検査・画像診断などを通じて症状の根本原因を調べたうえで、必要に応じて治療方針を提案してくれます。
こうした専門的な視点があるからこそ、安心して治療に臨むことができます。
こんな症状があれば迷わず受診を
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排尿時の痛みや違和感が続く
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トイレが近い、漏れてしまう
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尿に血が混じる、にごっている
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下腹部や腰の重い痛みがある
こうした症状が一つでもあれば、「そのうち治るだろう」とは思わずに、早めに泌尿器科での診察を受けることが大切です。
泌尿器の症状は人には話しづらいことも多いため、受診をためらう方がいるのも事実です。
早期発見・早期治療が健康を守る最大のポイントです。





